逆二乗則

今回のギモン(クリックすると当該セクションへ)

具体例(レベル1)

理由(レベル1)

注意(レベル1)

逆二乗則

ある一点から全方位に影響が及ぶ時、その量\(F(r)\)は距離の二乗に反比例する。 \begin{equation} F(r) \propto \frac{1}{r^2} \end{equation} このことを逆二乗則と呼ぶ。

物理ではよく\(r^2\)に反比例する量がでてきます。その理由や具体例などについて 簡単にまとめました。

具体例(レベル1)

有名な例として万有引力 \begin{equation} F(r)=-G\frac{Mm}{r^2} \end{equation} は逆二乗則に従います。また、同様にクーロンの法則 \begin{equation} F(r)=\frac{1}{4 \pi \varepsilon_{0}} \frac{q Q}{r^2} \end{equation} で表現される静電気力も逆二乗則に従います。

放射線の強さを\(I(r)\)とすると、線源から十分離れたところでは、 その量は逆二乗則に従います。即ち \begin{equation} I(r) \propto \frac{1}{r^2} \end{equation} が成り立つということです。

理由(レベル1)

では、なぜ全方位に力などが及ぶ時、その量は距離の二乗に反比例するのでしょうか。 電灯の明るさを例に説明していきます。

電灯の明るさもまた、逆二乗則に従いますが、 実際、電灯は近づくと明るいが、離れるとみかけ上近づいた時よりも暗く見えます。 これはなぜかというと、電灯から出てくる光が一定でも、広範囲に分散してしまうので 見かけ上暗くなったように見えるというわけです。

では、どの程度分散するのか考えてみましょう。今、電灯を中心に、全方位等方に光が放射されているとします。 球の表面積が\(4\pi r^2\)なので、電灯のもともとの光量を\(A\)とすると、そこから\(r\)離れた 場所で感じる、単位面積あたりの光量(即ち明るさ)\(I(r)\)は\(I(r)=\frac{A}{4\pi r^2}\) になるはずです。

こうして、\(I(r) \propto \frac{1}{r^2}\)になることが確かめられました。今回は身近な例 を出しましたが、一般に全方位等方に何か影響が及ぶ場合、その量は逆二乗則に従います。

注意(レベル1)

上の説明では特に言及しませんでしたが、逆二乗則は大きさのない一点が、 全方位等方に影響を及ぼしているときに成り立つものです。

当然、偏りがある場合には普通成り立ちませんし、力などを及ぼす物が、大きさを持つ場合には その効果も考慮に入れる必要があります。