速度と加速度

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定義の意味(レベル1)

\(\dot{x}\)の意味(レベル1)

速度と加速度

位置\(\bs{x}\)の時間微分を速度と呼び、速度の時間微分を 加速度と呼ぶ。即ち \begin{eqnarray} \label{vel} v=\frac{d x}{dt} \\ \label{ac} a=\frac{d^2 x}{dt^2} \end{eqnarray} である。

大学物理では、速度や加速度は微分で定義されます。なぜ微分が使われるかなど、 基本的な事柄について簡単にまとめました。

ちなみに、ここでは説明を簡単にするため、 \(x\)や\(v\)はベクトルではなくスカラーとして書いています。

定義の意味(レベル1)

まず、なぜ(\ref{vel})式に微分が用いられているのか、その意味を説明します。 前提として、いわゆる「速度」には平均の速度瞬間の速度 の二つがあることを確認します。

平均の速度

移動した距離をかかった時間で割ったものを 平均の速度と呼ぶ。 つまり、平均の速度\(v_{平均}\)は \begin{equation} v_{平均}=\frac{x(t+\Delta t)-x(t)}{\Delta t} \end{equation} である。

平均の速度とは、小学生で初めて計算する速度のことです。

具体例

新幹線は東京大阪間500kmを2時間かけて走る。この時の新幹線 の平均の速度はいくらか。

初期位置を\(x(0)=0\)とすると、 \(v_{平均}=(500-0)/2=250\)なので、答えは時速250kmということになります。 重要なのは、これは平均の値だということです。

つまり、新幹線は常に時速250kmで走っているのではなく、駅では停車しますし、 速度が速いときもあります。その平均値が250km/hということです。

瞬間の速度

平均の速度について、\(\Delta t\)を限りなく短くしたもの を瞬間の速度と呼ぶ。つまり、 \begin{equation} \label{moment} v_{瞬間}=\lim_{\Delta t \to 0} \frac{x(t+\Delta t)-x(t)}{\Delta t} \end{equation} である。

平均を取る時間幅を限りなく短くとると、平均の速度は その瞬間における(平均の)速度になり、これこそが瞬間の速度ということになります。 身近な例でいると、台風の最大瞬間風速などがこれにあたりますね。

(\ref{moment})式の右辺をみると、そのまま微分の定義になっています。 つまり、 \begin{equation} v_{瞬間}=\frac{d x}{dt} \end{equation} であり、冒頭の定義で出てきた「速度」とは、 瞬間の速度を表していたことが分かります。



では最後に、なぜ速度の定義に微分を使うのか、言い換えるとなぜ平均の速度ではなく、 瞬間の速度を用いるのか考えてみましょう。 それは、物体の運動は、一般に刻々と変化するからです。

上の新幹線のように、決まった道を進み、決まった時間に目的地 につくことが分かっている場合、平均の速度でも役に立ちますが、より複雑に動く物体の場合、 平均の速度では太刀打ちできません。なので、瞬間の速度を使うというわけです。

上では速度について述べましたが、加速度についても同様の理由から微分を使うことが求め られます。

\(\dot{x}\)の意味(レベル1)

\(\dot{x}\)の意味

\(\dot{x}\)の意味は\(x\)の時間微分。つまり、 \begin{eqnarray} \dot{x}=\frac{d x}{dt} \end{eqnarray} ということ。

大学物理では、\(\dot{x}\)という見慣れない記号がでてきますが、 ただの時間微分です。ちなみに、 \(\dot{x}\)はニュートン流の微分の書き方で、\(\frac{dx}{dt}\)はライプニッツ流 です。