参考文献

参考文献のリストです。大学の参考書は高校までとは違い、同じ分野でも、教科書の難易度のレベルがてんでバラバラです。 ○○入門や、やさしい○○とタイトルにあっても油断はできません。 (入門書の難易度が初学者レベルになっていない場合がある)

ここでは、参考書を分野別だけでなく、レベル別に まとめてみました。初学者の方はまずレベルの低い本から入り、一通り読んで全体の外観を掴むことをお勧めします。 多分、一周読めばテストの点はとれます。

その後、より深い理解に到達したい人は、高いレベルの本に手を出してみるとよいでしょう。 一周目では気づかなかった緻密な論理や、簡単な本ではあえて言及されなかった深淵が味わえます。 将来大学院などで研究する人は、このくらいの理解度には達したいものです。

物理数学

〇レベル1(大学1年生レベル)

微分積分講義[改訂版](三町勝久 著 日本評論社) (購入はこちらから)

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解析学の教科書です。数学を専門にされている先生が書かれているので、記述はかなり数学よりです。 ただ、その分厳密なので、数学的な考え方や、あとあと厳密な議論が必要になったときに見返すなどして使えます。 一方、書かれているトピックは理工系向けなので、一冊の中で無駄になる内容はほとんどないと思います。

力学

〇レベル2(大学2~3年生レベル)

物理学序論としての力学(藤原邦男 著 東京大学出版会) (購入はこちらから)

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必要なことがかなりコンパクトに載っている本です。かなり多くの範囲をカバーしています。 しかしその分だけ式変形などはいちいち細かく載っていないので、初めて勉強する人はこれ以外にもう一冊 参考書を持っておいた方がいいかも。ただ、「序論」というタイトルのわりに深いところまで踏み込んでいて 流石は東大出版といった感じです。
〇レベル3(大学3~4年生レベル)

古典力学(上) 原著第3版(ゴールドスタイン,ポール,サーフコ 著/矢野忠,江沢康夫,渕崎員弘 共訳 吉岡書店) (購入はこちらから)

有名な力学の教科書です。力学ですが、解析力学の内容もかなり混じっています。一応、解析力学の導入も前の方に 書かれていますが、全体的にレベルが高いので、力学の入門書として使うのには不向きでしょう。(散乱問題や 相対性理論など、様々なテーマを扱っています) ただ、かなり広い範囲をカバーしているので、一度力学を勉強した人にとってはためになる教科書かなと思います。
●レベル4[高難度](大学4年生以上レベル)

力学 増訂第3版 (ランダウ,リフシッツ著/広重徹,水戸巌 訳 東京図書株式会社) (購入はこちらから)

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超有名な力学の教科書です。なんで有名かというと超難しいからですね。難易度の高い力学の教科書の例にもれず、これも 解析力学を前提にした内容になってます。初学者は門前払いされるのでおとなしく入門書から勉強を始めましょう。 薄いので、持ち運びには困りません。

電磁気学

〇レベル1(大学1~2年生レベル)

電磁気学(横山順一 著 講談社基礎物理学シリーズ4) (購入はこちらから)

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分かりやすく、親切で、そして詳しい。このシリーズの参考書はかなりおすすめで、自分も学生の時とてもお世話になった本の一冊です。 なぜその発想が必要なのか、なぜその公式が必要なのかを丁寧に動機から説明してくれます。理解だけでなく、実践にも力が入っていて 参考書としては珍しく、例題や問題も豊富です。電磁気が分からないという人は(特に初学者の人は)読んでみて損はない一冊だと思います。
〇レベル2(大学2~3年生レベル)

ファインマン物理学III巻(ファインマン,レイトン,サンズ 著/宮島龍輿 訳 岩波書店) (購入はこちらから)

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有名なファインマンによる講義を基にした教科書です。カルフォルニア工科大学のうち優秀な生徒向けの講義がもとになっているため、 初学者には難しい内容が多少あるかもしれません。基本的な事柄も踏襲していますが、他のより簡単な本で一通り学んでから これを読んだ方が、理解は深まると思います。全体的に文章が多めですが、これは数式の物理的な意味や解釈、そして具体例の説明のため で、内容はかなり濃いです。様々なトピックについて語られているので、知見は間違いなく広がるでしょう。

量子力学

〇レベル2(大学2~3年生レベル)

量子力学(原田勲,杉山忠男 著 講談社基礎物理学シリーズ6) (購入はこちらから)

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量子力学は元々が難解な学問ですが、この教科書は順序だった論理と、平易な解説により、量子力学の基本を押さえることができます。 電磁気の方にも書きましたが、このシリーズの参考書はかなりおすすめで、自分も学生の時とてもお世話になった本の一冊です。 ただ、極座標のシュレディンガー方程式のところで、特殊関数が突然でてくるので、そこは天下り的な論法に感じるかもしれません。 ただ、例題も豊富かつ解説も丁寧なので、初学者の人はこの本から始めてもいいのではないのでしょうか。
〇レベル3(大学3~4年生レベル)

新版 量子論の基礎 その本質のやさしい理解のために(清水明 著 サイエンス社) (購入はこちらから)

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副題にある通り、量子論の本質に迫ることができます。(一方、あくまで個人的な感想ですが「やさしい」 内容ではありません)比較的基礎的な内容から、高度な領域、勘違いしやすい事柄についても踏み込んだ説明をしています。 また、本サイトと同じように、難易度の高い記述部分はマークを付けていたりという配慮もあります。更に、古典論に引導を渡した「ベルの不等式」 にも珍しく触れているのでそこは是非とも読んでおきたいですね。
●レベル4[高難度](大学4年生以上レベル)

ワインバーグ場の量子論一巻 粒子と量子場(S.Wienberg 著/青山秀明,有末宏明 訳 吉岡書店) (購入はこちらから)

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有名な場の量子論の教科書ですが、第一巻は場の量子論というより、量子力学や相対論的量子力学の色合いが強いです。 まず初学者は読んでもさっぱりわからないでしょう。逆に分かったのならぜひとも素粒子理論の道へ進んだ方がいいです。 英語版だと三巻にまとまっているそうですが、日本語版は六巻くらいに倍増してます。どうしてこうなった。 素粒子を勉強するうえで行き着く地点の一つなのでこれを目標にして勉強をするのもいいかもしれません。

その他

理科年表(平成30年度版 国立天文台編 丸善出版)
「科学に携わるなら必携の一冊」とどなたかがいっていた気がします。物理から生物まで、様々なデータがよりどりみどりですが、 ほとんど自分は開いたことがありません。大学で実験をした後、考察とか書く時のお世話になると思います。 このサイトで何か物理量の具体的な数値を出したときには、これの引用か、その数値を使って計算した結果だと思ってください。
EMANの物理学
言わずと知れた名サイト。数学より物理やイメージを重視しており、また、初学者にも理解しやすい説明で 入門としては申し分ないでしょう。また、カバーしている範囲も広く、自分も学部生時代には相当お世話になりました。
サイトへのリンクは→こちらから。
物理の鍵しっぽ
上記のEMANの物理学と並び超有名なサイト。分野ごとに記事のばらつきはありますが、特に数学の記事は充実しているので、 物理をやっていて分からない数学があれば立ち寄ってみるとよい発見があるでしょう。個人的には微分形式の記事が分かりやすくて感動した覚えがあります。
サイトへのリンクは→こちらから
高校数学の美しい物語
理系学部生の多くがお世話になったであろうサイト。高校数学とありますが、普通に大学数学の範囲も入っています。 方針も含め分かりやすい証明と、具体例も多く含んでいるので初学者も安心です。かつ情報がコンパクトに まとまっているので目当ての情報を見つけやすいです。
サイトへのリンクは→こちらから

参考文献は随時追加していきます。