電荷密度

電荷密度

単位体積あたりの電荷を電荷密度と呼ぶ。
つまり、電荷\(Q\)に対し、電荷密度\(\rho(\bs{r},t)\)は \begin{equation} \label{chargedens} Q=\int_{V} \rho(\bs{r},t) \mathrm dV \end{equation} である。

電荷密度は微分形のマクスウェル方程式に出てくる概念です。 物理では「単位体積(面積)あたりの××」のことを「××密度」とよくいいます。

単位は\(\mathrm{SI}\)単位系で[\(\mathrm{C/m^3}\)](クーロン毎立方メートル)、 及び\(\mathrm{cgs}\)単位系で[\(\mathrm{C/cm^3}\)] (クーロン毎立方センチメートル)です。これは(\ref{chargedens})式の両辺の単位を 比べると明らかですね。

電荷密度について簡単にまとめました。

具体例(レベル1)

具体例その1

クーロンの法則 \begin{equation} \bs{E}(\bs{r}) =\frac{1}{4 \pi \varep_{0}} \frac{Q (\bs{r}-\bs{R})}{|\bs{r}-\bs{R}|^3} \end{equation} は電荷密度を使うと \begin{equation} \bs{E}(\bs{r}) =\frac{1}{4 \pi \varep_{0}} \int \frac{(\bs{r}-\bs{R})}{|\bs{r}-\bs{R}|^3} \rho(\bs{R}) dV_{R} \end{equation} (ただし、\(dV_{R}=d^3 R\)とする) になる。

具体例その2

ガウスの法則の積分形 \begin{equation} \int_{S} \bs{E}(\bs{r}) \cdot \bs{n}(\bs{r}) \mathrm dS =\frac{Q}{\varep_{0}} \end{equation} の右辺は電荷密度を使って書き換えると \begin{equation} \int_{S} \bs{E}(\bs{r}) \cdot \bs{n}(\bs{r}) \mathrm dS =\frac{1}{\varep_{0}} \int_{V} \rho(\bs{r},t) dV \end{equation} となる。

電荷密度の利点(レベル1)

電荷密度の利点

電荷密度を使う利点は、空間に広く、そして連続的に分布した電荷を 扱えるところ。

現実の電荷は、点電荷のようにある一点のみに電荷が分布していることは稀であり、 寧ろコンデンサーなどのように連続的に分布しています。 このような状況では電荷はもはや数えるものではなく、密度として数式化した方が便利です。 なので、大学物理ではもっぱら電荷密度という概念を用います。

保存則(レベル1)

電荷保存則

電荷密度\(\rho(\bs{r})\)電流密度\(\bs{j}(\bs{r})\)について以下が成り立つ。 \begin{eqnarray} \pdiff{\rho}{t}(\bs{r},t)+\nabla \cdot \bs{j}(\bs{r},t)=0 \end{eqnarray} これを電荷保存則と呼ぶ。

これについて詳しくは電荷保存則の記事を参照してください。

面電荷密度と線電荷密度(レベル2)

電荷面密度/電荷線密度

単位面積あたりの電荷を電荷面密度と呼び、 単位長さ当たりの電荷を電荷線密度と呼ぶ。
つまり、電荷\(Q\)に対し、電荷面密度\(\sigma(\bs{r},t)\)は\(S\)を平面として \begin{equation} Q=\int_{S} \sigma(\bs{r},t) \mathrm dS \end{equation} であって、電荷線密度\(\lambda(\bs{r},t)\)は\(L\)が直線として \begin{equation} Q=\int_{L} \lambda(\bs{r},t) \mathrm dl \end{equation} である。

状況によっては例えばコンデンサーのように、体積当たりの電荷よりも面積あたりの 電荷が重要になることもあります。この場合に使われるのが電荷面密度です。 同様に、帯電した細い棒については、電荷密度より、線密度を使うことが一般的です。

ちなみに、面密度や線密度は電荷密度で表すこともできます。

具体例

\(S\)が\(z=0\)の平面だった場合、 \begin{equation} \int_{V} \rho(\bs{r},t) \mathrm dxdydz=\int_{S} \sigma(\bs{r},t) \mathrm dxdy \end{equation} より、電荷密度と電荷面密度には \begin{equation} \rho(\bs{r},t) = \sigma(\bs{r},t) \delta(z) \end{equation} の関係が成り立つことが分かります。(ただし、\(\delta(z)\)はデルタ関数)

面電荷密度や線電荷密度は便宜上、以下のようにベクトルによって表わされる場合もあります。

\begin{eqnarray} Q&=&\int_{S} \bs{\sigma}(\bs{r},t) \cdot d\bs{S} \\ Q&=&\int_{L} \bs{\lambda}(\bs{r},t) \cdot d\bs{l} \end{eqnarray}

ここに、先に述べた\(\sigma,\lambda\)との関係は \begin{eqnarray} \sigma(\bs{r},t) \mathrm dS &=& \bs{\sigma}(\bs{r},t) \cdot \bs{n}(\bs{r}) \mathrm dS\\ \lambda(\bs{r},t) \mathrm dl &=& \bs{\lambda}(\bs{r},t) \cdot \bs{t}(\bs{r}) \mathrm dl \end{eqnarray} です。(ただし、\(\bs{n}\)は面素\(dS\)に垂直な単位ベクトル、\(\bs{t}\)は線素\(dl\)に 平行な単位ベクトルです。)